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「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

3 原始仏教への考察

釈迦の正体って・・何?

 前回の日記で。
 「公案や禅問答の行き着く処は、超常現象の具現に他ならない」
 そう書いた。

 突飛な、幾分アバンギャルドな考え方だろうけれど。
 そんな。
 公案『隻手音声』の「答え」を思い付いた途端に、身体に「悪寒」が走った。
 嬉しくって?
 いや。
 「仏教の怖さ」に気が付いて。

 先ずは。
 「種の保存」について考えてみたい。

 みなさんは。
 実は「3年前とは全くの別人」なのです。
 そう言われたら。
 きっと驚く、か。
 「ざけんじゃねーよっ!」と睨みつけることだろう。

 でも。
 生物学では、間違いなく、貴方は3年前とは全くの別人なのだ。
 人間の細胞は。
 最長3年で、全てが生まれ変わるのだから。

 ただ。
 DNAの影響で。
 「ガラパゴス大トカゲ」に似た、美しい貴方は。
 決して「竹内結子のソックリさん」に成ることはない。

 DNAのコピーは。
 酷く厳密に行われるようだけれど。
 偶に「ミス・コピー」が発生する。
 それが「悪性新生物」なら、すこおし厄介なことになるけれど。
 通常なら。
 「ミス・コピーされた細胞」は、何時しか排除され、
 「個体としての生物」に影響するコトは稀である。
 だから貴方は。
 通好みの「格別な美しさ」を保ったまま、細胞だけが再生することになる。

 ここで。
 考えてみたいのは。
 「人」と云う「種」は、如何やって維持されているのだろう。と云うこと。

 「種」全体として「人」を見た場合。
 「ミス・コピーされた人」が誕生し、偶に「癌細胞」になることもあるだろう。
 そして。
 そこまでじゃなくても。
 「種全体に影響」する人は、必ず出現するのではないかしら?

 でも。
 歴史上、「種」全体を滅ぼす程に悪影響を与えた「人」の記録はない。
 「人」と云う「種」に措ける「DNAのコピー」は
 それ程に完璧なのだろうか?

 隣国中国の歴史を振り返ると。
 「術者(異能者)は、決して天子に成れない」と云う不文律がある。
 「易姓革命(えきせいかくめい)」により、多くの王朝が誕生した中国。
 漢の高祖「劉邦」のように、所謂「ヤクザ」出身者も居るけれど、術者(異能者)は居ない。
 有名な「諸葛亮孔明」ですら「蜀の皇帝」には成っていない。
 「瞳が三つ在った」と云われる彼は、間違いなく異端の者(異能者)。
 どれほど能力が優れていても、「異端の皇帝」など決して民衆が許さない。
 まぁ。
 明の太祖「朱元璋」辺りは少し怪しいけれど。

 こうして中国では。
 「ミス・コピーされた人」は、排除されていく。

 ローマ帝国は如何なのか?
 初期の「ローマ皇帝」は、基本的に世襲しない。
 元老院が中心となって、次の「ローマ皇帝」が選任される。
 そうなれば。
 前政権(ローマ皇帝)の子孫等眷属は如何なるのか。
 誰でも想像が付くだろう。
 そして。
 何時の間にか「キリスト教」が国教になり、「聖職者は妻帯せず」と云う不文律の中、
 欧州最高の頭脳集団が、後の「遺伝子」から排除される。

 歴史を振り返る・・と。
 大国を牛耳る程に影響力を持つ「皇帝の遺伝子」や
 大国を転覆させる程の影響力を持つ「頭脳集団」「術者(異能者)の遺伝子」は、
 その後の「人の遺伝子」から、意図的に排除された、ような気がする。
 「王権神授説」なんて頃には。
 「ミス・コピーされた遺伝子」は、「種」の「遺伝子」から隔離されるか、排除されていたのだろう。

 その後に起こったのが「魔女狩り(異端審査)」。
 「魔女」なんて。
 そうそう居るハズもなく、本当の「魔女」なら火刑なんかで死ぬハズがない。
 誰でも。
 そんなコトくらい判るだろう。
 何時の時代も。
 「教会」を支えているのは、欧州最高の頭脳集団。
 彼等に・・判らないハズがない。
 だから。
 「魔女」とされたのは。
 極少数の「異能者」と、残りほぼ全員は「精神障害者」である。

 「魔女狩り」で。
 当時の、殆どの「精神障害者」が火刑されたので。
 後の欧州社会での「精神障害者の発生率」は、驚くほど低くなった。
 そんな研究結果もある。

 「うつ」の私が書く話じゃないが。
 「魔女狩り(異端審査)」は。
 「種の保存」のために「不適な存在」を排除するために実施された。
 それが「真実の姿」なのだろう。

 でも私は。
 「単一神」ではない「仏教」は。
 多くの民間信仰を取り入れながら、拡充した歴史がある。
 だから。
 『異端審査』なんて在り得ない、と考えていた。

 「釈迦」は。
 「世の中自体」を「地獄」と見た。
 だから「彼の教え」には、「極楽」も「地獄」もない。
 我々が考える「極楽の生活」なんて
 「産まれた王宮」に戻りさえすれば、容易(たやす)く実現できるのだから。

 「釈迦の教え」の究極の目的は
 「空の存在」となり「二度とこの世に産まれてこない」ことである。
 
 「釈迦」の法統を受け継ぐ者たちが
 勝手に「地獄の概念」を創作し、そして「極楽の概念」を創っていった。
 私は。
 それを単に「信者集め」のためと思っていたのだけれど。

 だって。今の殆どの人は
 「死んだら極楽浄土に行きたいもんだ」と思っているし。
 誰も「空」になっての「消滅」なんか望んじゃいないもの。

 でも実は。
 「地獄」と「極楽」と云う対立概念で
 「仏教の本当の目的」を隠してしまったのではないのか?
 そう考えるようになった。

 「釈迦」の時代。
 「女性は不浄にして悟ることがない」とされた。
 そこで「釈迦」は。
 「サーガラ竜王の信仰の厚い娘」を「変成男子(へんにょうなんし)」にしたと云う。
 「女性」を強引に「男性」にしてしまったのだ。

 私は。
 浅学にして「キリスト教」や「イスラム教」など。
 他の世界宗教で「女性を男性にした」と云う話を聞いたことがない。
 どの「宗教」でも。
 「女性が差別される」ことに変わりは無い。
 でも。
 ただ「一言」、教義に付け加えれば良いのだ。
 「女性」は不浄だが、「救われることに変わりは無い」と。

 仏教の「経典」が最初に書かれたのは
 アショカ王の時代、紀元前2世紀である。
 「釈迦」は、紀元前5世紀の人だから
 「釈迦」入滅後、300年以上「経典」は存在しなかった。
 そして。
 前述したように「地獄」も「極楽」も、後の時代の「創作」である。

 「女性が、救われることに変わりは無い」
 そう付け加えるなんて非常に「簡単な事」じゃないか。
 だから。
 強引に「女性」を「男性」にする必然は、全くないのだ。

 それなのに。
 何故、「仏教」だけが?
 ズッと不思議に思っていた。

 ここで。
 冒頭の「禅」の公案に戻す。
 「仏教」は。
 「悟り」で得られる「智慧」は「寂静」とする。
 だから。
 「悟った者」は、静かに「弟子」を「悟り」に導く。
 決して「新たに得た能力(超常現象の具現)」なんて使ってはいけない。
 「白隠禅師」は
 その生涯に百回を越えて「悟った」とされる。
 「百を越える新たな能力」に「目覚めた」のだろう。

 ここで最も肝心なことは。
 「仏教」は。
 「悟った者」に「空の存在となる」ことを求める、こと。
 彼等は。
 決して「輪廻転生」をしない。

 ここに「仏教」の「本質的な怖さ」を感じてしまう。
 
 「えっ?」って。
 良く考えりゃ誰だって判る。
 「仏教」にも「魔女狩り」が透けて見えるじゃないか。
 その非常に巧妙に隠された「異端審査」が。

 「キリスト教」のように
 「アンチ・キリスト者」として「排除する」のではない。
 
 「異能者」予備軍を、教団の中に引き込み
 「その能力」の発現を促し
 「能力者」と成った途端に「悟った者(覚者)」として「空の存在」を求める。
 つまり。
 「異能者」予備軍を、最終的には「空の存在」として、排除する。
 その後の「人と云う種」から弾き出すのだ。
 
 世界宗教なら。
 「聖職者」は、生涯独身で、「その遺伝子」が受け継がれることはない。
 
 当然、「仏教」も妻帯はしない。
 それで充分じゃないか。
 何故、ここまで「異能者」に拘るのだろうか?

 ここで。
 先の「サーガラ竜王の娘」を「変成男子」にした「釈迦」の話である。
 これは。
 「事実」なのではないのだろうか?

 「仏教」は。
 その「創始者」からして「強大な異能者」だった。
 だから。
 「異能者の恐ろしさ」は、仏教教団自身が一番良く判っていた。

 「提婆達多」は「三逆罪」を犯したため、生きながら「無間地獄」に落とされたと伝わる。
 「その三逆罪」とは。
 釈迦教団を出て分派活動を行った「破和合僧」。
 山頂から大石を落として釈迦仏の足の指から出血させた「出仏身血」。
 そして。
 釈迦仏を殺さんとした所を蓮華色比丘尼に咎められ、彼女を鉄拳で殺した「殺阿羅漢」。

 「提婆達多」と別れた後。
 「釈迦」は「何も語ることなく入滅した」とされる。
 
 例え、「どんなモノ」に変じていたとしても「釈迦」は「仏教の創始者」である。
 「悪く伝える」なんて許されない。
 そして。
 「提婆達多」は、伝承では「酷い扱い」を受けるけれど
 経典「法華経」では、「天王如来」になる「未来成仏」の姿が描かれている。
 驚くべきことに「仏」なのだ。

 真実は。
 当時、「人の性別すら変えてしまう」程に、巨大になった「異能者釈迦」の「力」を、皆が恐れ戦(おのの)き、
 このままでは、仏教教団の存続はおろか、「種の保存」すら危うい。
 「釈迦」は、「人と云う種」の「癌細胞」になった。
 だから。
 「提婆達多」は、「異能者釈迦」を、命がけで殺したのではないだろうか。

 「異能者釈迦」の「恐ろしさ」を。
 必然性の無い「変成男子」の話で語り継ぎ、
 創始者「釈迦」を殺した大悪人「提婆達多」を、経典で「仏」とした。
 そして。
 「異能者の発見」と「その排除」を仏教の究極の目的とした。
 それが
 「空の存在」となり「二度とこの世に産まれてこない」と云う「思想」なのではないだろうか。

 これが。
 私が、公案『隻手音声』の答えを思い付いた途端に
 身体に走った「悪寒」の「正体」である。

 まぁ。
 私の『仏性』なんて、犬以下なのだろうけれど。
 いや。
 せめて「猫並み」と言いたい処だが。


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